[レポート] 【事例紹介セッション】 ファミリー/子ども向けスキルにおける活用事例、VUIデザインのポイント #AlexaDevSumi
はじめに
AIソリューション部の平内(SIN)です。
本ブログは、2018年12月14,15日に開催されたAlexa Dev Summit 2018のセッション、
「【事例紹介セッション】 ファミリー/子ども向けスキルにおける活用事例、VUIデザインのポイント」のレポートです。
概要
スマートスピーカー/スマートディスプレイを中心とした据え置き型の音声デバイスは、家庭における親子のコミュニケーションのみならず、子どもの知育やレクリエーションなど、子どもがいる家庭にとって様々な可能性を秘めています。一方で認知処理能力や語彙などが成人と異なるため、大人向けのVUIデザインをそのまま適用するだけでは不十分なケースが存在します。本セッションでは、欧米の最新事例からファミリー/子どもにウケるスキルのポイントを紹介しながら、デザイン上の留意点やテクニックについてを解説していきます。 (Powered by 株式会社WHITE )
レポート
講師及び会社の紹介
講師を努めて下さったのは、株式会社WHITEのVUIスペシャリスト 長友 裕輝さんです。
現状
最初に、子供によるスマートスピーカーの利用の現状分析です。
- そもそも子供は使うのか? => めちゃくちゃ使われている
- 一人で使ってるのか? =>だれかと一緒に使っている(PCのように1人で使うことは少ない)
子供は、スマフォネイティブと言われているが、4歳以下は、VUIから入っている
子供が使う鉄板4本として、「歌モノ」「クイズ・トリビア」「キャラモノ」「インタラクティブノベル」があるが、特に、スマートスピーカーならではのものとして、ユーザーの答えでストーリーが変わっていくようなものは、独特であると言える。
子供向けのスキルと言いながら、親も期待するところがある
- 子供の遊び相手として期待
- 子供の養育に期待
- 子育てしながらハンズフリー・知育目的
いづれにしても、今までなかった存在への対応となる
「人間のように対話し、会話力や機能が日々アップグレードされるコンピューターとともに育つはじめての時代」
4つの視点
キッズ向けスキルを企画する上で、必要な4つの視点がある
(1) 子供の年齢・能力
子供は、一歳違うと大きく違う<=このことは、非常に重要
(2) 利用文脈
いつ誰がどこで(5W1H)利用するのかという、利用コンテクストへの考慮が重要
(3) 使わせる親の視点
最終的にスキルを有効にできるのは親であるため、使わせる親の視点も重要
- 遊び相手の肩代わりとして期待
- 親の教育ポリシーに沿っているか。
「男ならこうあるべき・・・」みたいな矯正は、良くない
シンデレラを禁止している(女性の主体性にそぐわない)
- 子供の好きなものは、大人もすき、とは限らない
「シモネタ」は、子供はすきだが、親は引いてしまう。
(4) 学びのポイント
学びのポイントが重要。学びがなく、単に中毒性のあるものは、問題がある。
どのような学びの側面を盛り込むか
- 物理法則を忠実に再現
- 社会性、コミュ力
盛り込みたいポイント
- 語彙力
- 表現力
- 共感性
- 英会話
- 他者との関係性
- 「2020年の教育改革」や、「21世紀型スキル」がキーワードとなる
子供向けスキルのデザインテクニック4カ条
最後に、キッズ向けスキルのVUIデザインテクニックということで、紹介があった4カ条
- やりがいとわかりやすいフィードバック
- not ゲームデザイン but コミュニケーションデザイン
- 子供のミスは否定しない and システムのミスは楽しく
- 現実世界とのつながりを意識する
例として、以下のようなものが紹介されました。
- サウンドアクションは、わかりやすいフィードバックとして大事
-
コミュニケーションのデザインをしっかり行う。クイズを通して主体性を養う。
-
子供のミスを否定しないで、楽しく持って行く
- エラーをエラーとして処理しない。うまくフォローする。
-
現実世界とのつながりを意識する
最後に
現状分析についてや、着目すべき点を丁寧に紹介して頂き、子供向けスキルのデザインのポイントが非常によく分かる、素晴らしいセッションでした。
株式会社WHITE様の貴重なノウハウを、惜しげも無く共有頂いたことに、心から感謝申し上げます。